日原の獅子舞は一石山神社の祭典に村内の各社へ奉納され、もとは四月八日の春祭り、九月二十四日の秋祭りと年二回行われていました。獅子舞の由来等の詳細を伝える記録(巻物)は失われていますが、慶長十七年(一六一二)、出羽国羽黒山から僧道栄が先達となって四十八本の梵天とともに獅子頭三つを持って渡来してから始まったと伝えられたといわれています。また、当時一石山が東叡山寛永寺に属し輪王寺宮の御所領であったため、獅子頭の水引には皇室の 御紋章である、十六の菊と五七の桐の紋をつけることが差許されています。 |
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獅子舞の定員はしし(四四)の十六人で、それは世話役、御幣(おんべい)振り、唄方二人、笛方二人、獅子舞役は前(めえ)獅子(女獅子)、仲太夫(小太夫)、太夫(大太夫)の正副六人、花笠四人で席順もこのようになっていますが、これは旧習を示すもので、この他多くの出演者があるのはいうまでもありません。 |
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勢ぞろいの着座順位を示す図 |
世 話 人 |
唄 う た い |
笛 ふ き |
め い 獅 子 |
仲 太 夫 |
大 夫 |
さ さ ら す り |
さ さ ら す り |
お ん べ い |
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世 話 人 |
唄 う た い |
笛 ふ き |
め い 獅 子 |
仲 太 夫 |
大 夫 |
さ さ ら す り |
さ さ ら す り |
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宮参り道行の順序
神職、氏子総代、世話人、おんべい、唄うたい、笛ふき、花笠四人、獅子三人、獅子交代三人、宮司、神職、一般参列者 |
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獅子頭の特徴を挙げてみると三箇とも色や形がそれぞれ違い、前獅子は赤色で宝珠を頂いて口を開き、仲太夫は金色で六角角で口をやや開き、太夫は黒色でねじれ角で口を結んでいます。これは勇壮さをあらわしているものです。 |
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獅子及びささらすり(花笠)は袴を着用しているが、これは神社の格式を示すものと云われています。獅子はわらじ履き、ささらすりは麻裏履き、なお獅子は腰に幣をさします。このほか前獅子と同じ衣装を着けた御幣という役があり、これは大きな御幣を持ち赤いたすきがけで、獅子の先達とし、袚いの役目と導きの役目をし親方がこれにあたります。尚、獅子頭及び道具類は昭和八年の火災で焼失してしまいました。直ちに仮の獅子頭を作り獅子舞を休むことなくつづけ、昭和十二年に自治会全世帯の寄付金により新調されました。また平成十八年八月獅子頭の塗りなおしを行いました。
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舞は古典的な最も優雅な流派で、奥多摩地方数ある獅子舞の中でも特色のあるものといえます。日原の獅子舞は母子獅子で、すべての舞は前獅子女獅子が先導します。舞始めには先ず女獅子が出て一通り場内を舞廻り、筋通りの型がすんでからはじめて仲太夫を、次いで太夫を連れ出して3人の舞になります。女獅子一人立ちの舞中、男獅子は所定の所で太鼓を合わせているだけです。竿、まり、剣等のかかりものの舞の場合、そこへ出現したこの異物は、いったいなんだろうと女獅子は始め危惧する形でこれを見きわめ、これを克服する段取りのついたところで男獅子を引き出します。獅子の各々の気風として女獅子は優雅な美を表し、仲太夫は和と温厚を表し、太夫は剛健勇壮の感情を表して舞うことが大切であるとされています。 |
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